北海道での青春

紀行文を載せる予定

令和6年 3月の俳句

【弥生の句】 ① 春暁に サソリ座南 早十年(とうとせ) ② 啓蟄や 酒虫疼(うず)く 宵の口 ③ 春風に ベロニカの青 囁(ささや)けり 《古稀の春を迎えて》 3月1日は、能登半島地震発生から、ちょうど2カ月目に当たる。災害被害の凄さのせいもあるが、大型重機が入…

佐久の地質調査物語・第207回

1 志賀川流域の地質 (1)八重久保断層は確認できた 私たちは調査に先立ち、『地球科学45巻3号(1991)』の地質図付きの論文を読みました。正式には、『関東山地北西部の第三系(その1)長野県東部香坂川~内山川流域、特に駒込帯の地質と、その地質学的…

佐久の地質調査物語・第206回

第3章 志賀川・香坂川流域の地質調査へ 私たちは、平成4年度(1992年度)から、それまでの南佐久広域調査から拠点調査へと、調査の方法を変えました。南佐久郡誌刊行の為の調査が、一段落したからでした。 平成4年度は、抜井川の都沢を手始めに、山中地…

佐久の地質調査物語・第205回

第2章 佐久地方の新第三系 平成20年度以降、私たちの地質調査は、内山層から、主に駒込層および新しい時代の地層(八重久保層・香坂層・兜岩層ほか)へと対象が移りました。調査した内容の具体は、これから順に述べていきたいと思いますが、先だって「日本海…

佐久の地質調査物語・第204回

第1章 日本列島の成り立ち 5.大和堆の存在と、日本海を拡大させた営力 地球上の海と陸は、元々成分組成の異なる地殻でできていて、マントルの上に釣り合うように浮かんでいるようなものです。(アイソスタシー・isostasy) だから、日本海という海の中に、陸…

佐久の地質調査物語・第203回

( 第1章 日本列島の成り立ち ) 4.日本海の成り立ち (1)飛騨片麻岩・隠岐片麻岩・沃川片麻岩の類似性 朝鮮半島の地質概念図 【図-上】は、朝鮮半島の地質構造の概要を示したものです。「地塊」というのは先カンブリア時代の古い岩石からなる安定した岩盤…

令和6年 二月の俳句 

如月の句 ①春の縁 ハイハイ競う 老いの膝 ②爺孫の ゴッチンコ見てた 楓の芽 ③嬰児や 掴まえようと 牡丹雪 《孫の育ち三題》 正月の能登半島地震から1カ月が経過した。懸命な復旧作業でも、まだ生活再建への目途は立っていない様子が伝えられる。国際政治では…

佐久の地質調査物語・第202回

(第1章 日本列島の成り立ち) 2.「付加体」という考え方の証拠 日本列島の地質構造は、一般的に帯状配列をしていて、特に中央構造線を境に、外帯の地質構造は、太平洋側の配列の方が新しい時代の地層から構成されていることが、明治期のH.E.ナウマンの…

佐久の地質調査物語・第201回

第1章 日本列島の成り立ち 日本国土の主要部は、北海道・本州・四国・九州の4つの島だが、周囲のオホーツク海・日本海・東シナ海・太平洋上に浮かぶ島々も含めた広がりは、東西3000km、南北2500kmにもなり、大陸国家と肩を並べるほどである。…

佐久の地質調査物語 第200回(はじめに)

は じ め に 題名を『続々・佐久の地質調査物語』としましたが、「山中地域白亜系」を扱ったものが最初で、次に「内山層」を扱いました。そして、今度のシリーズが、それよりも新しい時代の「駒込層・八重久保層・香坂層」等について語るので、三番目の意味…

平成6年度 鼻顔稲荷・初午奉燈俳句

鼻顔稲荷初午奉燈俳句 ① 春の夢 狐の輿(こし)の 残り香よ ② 赤鳥居 潜(くぐ)りて今日も 梅暦 ③ 父詰めし 春の遠足 お稲荷さん (稲荷神社に寄せて) 令和5年秋に、所属する会の先輩に誘われて、佐久俳句連盟に入会することになった。早速、師走8日に「冬の俳句…

令和6年 1月の俳句

【睦月の俳句】 ① 掌(てのひら)に 温もり残る 寒卵 ② 炬燵まで 届きし日差し 縁の先 ③ 空白む 田圃スケート 子らの声 《冬の思い出・幼少編》 令和6年(甲辰きのえ・たつ)を迎えた年始は、大変な出来事の連続で幕開けした。地域の皆さんと新年の挨拶を交わ…

令和5年 12月の俳句

師走の俳句 ① 山入り日 裸木射抜く 波動砲 ② 凍てる朝 二十六夜の 太白星(たいはくせい) ➂ 春を待つ 「いのちの歌」で 目覚む吾 《この星に生まれて》 定年退職して10年目の冬越し野菜作りで、白菜と大根を「道の駅」直売所で購入してくるという、極めて不名…

令和5年 11月の俳句

【霜月の句】 ①泥も味 おろす長薯(ながいも) 自然流(じねんりゅう) ②潜戸(くぐりど)を 急かす狐火 祖母の譚(たん) ➂柊鰯(やいかがし)峠につづく 石畳 《夕暮れ早まる》 かなり暖かな霜月の始まりで、特に、佐久市民総合文化祭の開催された3連休は、好天に…

令和5年 10月の俳句

【神無月の句】 ① 爽やかに アンカーの孫 晴れ姿 ② 木星に 十六夜並ぶ 西の空 ③ 秋茜 千日紅が ヘリポート ≪秋の丈比べ≫ 第18回東京オリンピック大会(1964年)から、59年目の秋を迎えた。 昭和15年に日本でのオリンピック大会開催予定はあったが、第二次世界…

令和5年 9月の俳句

【長月の句】 ① 木漏れ日の 柔花(やわはな)捜す 秋茗荷(ミョウガ) ② 収穫の 轟音去って 蝗(イナゴ)とり ③ 入日さす 南瓜(カボチャ)の蔓を 北へ矯(た)め ≪収穫の秋・三題≫ 夏休みが短い長野県では、お盆が明ければ2学期が始まり、朝晩は涼しく感じられるよう…

令和5年 8月の俳句

葉月の句 ① 人知れず いのちを生きる 錦鯉② 台風禍 住めば都の あとかたす③ 魂送り 煙のゆくえ 星の川 【夏のあとさき】 佐久地方の8月は、1日の「お墓参り」から始まる。 江戸時代中期の寛保2年(西暦1742年)、「戌の満水」と呼ばれる未曽有の洪水被害の追…

令和5年 7月の俳句

【文月の句】 ① 暁の 冷気に背伸び 花擬宝珠 ② らっぱ飲み 鍔より見上ぐ 雲の峰 ③ 古稀にして ソバーキュリアス 夕焼け雲 《夏の一日》 昨年は、異常に短い梅雨で、早い梅雨明けの後、佐久市では、6月下旬~7月始めにかけて猛暑日が続いたが、今年は、寧ろ…

令和5年度6月の俳句

【水無月の句】 ① (蛇を威嚇する四十雀に気づいて) 鳴き烈(はげ)し 親鳥助け 蛇払う ② (MRCP検査の奇怪音の中で) 異空間 命に気づき 汗が引く ③ (農作業もなく俳句を練る一日) 雨一日(ひとひ) 一人居の友 時鳥 《音について三題(前書に挑戦)》 気象庁からの…

令和5年度5月の俳句

【皐月の句】 ① 菖蒲湯の バスタブ狭し 爺と孫(こ)ら ② 蒲の穂や 十年ぶりの ドック受く ③ 植田澄む 透ける葉影に 夕陽射す 《5月の出来事》 今年は、3月の気温が非常に高く、桜の開花は二週間以上も早かった。5月に入ってからも、夏日(5回)や真夏日(2回)と…

令和5年度4月(奉燈俳句)

【倉沢薬師・奉燈俳句】 風にのる 梵鐘の音や 緑立つ 令和5年度 奉燈俳句額 私は、退職後3年目の平成28年の5月から「前山みゆき会」に参加し、翌、平成29年度から、奉燈俳句に名前を連ねるようになった。 長年、墨書は、高野玉峰さんに依頼していた。私が参…

令和5年度 4月の俳句

【卯月の句】 ① 列島の 黄砂清める 禊(みそぎ)雨 ② 松の芯 黙して語る 山路かな ③ 産声で 歴史が増えし 若緑 《緑立つ季節》 昨年12月末からの臨時講師勤務は、令和5年3月31日までであったが、担当した卒業生の高校進学先も決まり、必要な書類提出も済んだの…

令和4年度 3月の俳句

【弥生の句】 ① 撮るよりも 母に見せたや クロッカス ② 「ただいま」と 土の匂いの 一人占め ③ 欠伸して 風聞き澄ます 木の芽山 《冬が過ぎ去って》 中学校の三学期は短い。とりわけ、3月7日が公立高校後期選抜試検日(面接実施高校は翌日も)だったので、入…

令和4年度 2月の俳句

【如月の句】 ①放課後の 下駄箱のぞく 兆す春 (合格の春) ②春芝居 P波S波で 賑わいし (大森の式) ③酸化して 手つなぐふたり 春の風 (酸化モデル) 《学校の春・三題》 多忙を極めた1月が終わり、三学期末テスト(2月8日)が過ぎると、少し楽になって来た。…

令和4年度 睦月の俳句

【睦月の句】 ①家路急く 宵の明星 受験生 ②潮待てば 冬満月に 漕ぎ出でよ ③干支巡る 九月二日の 皆既日食 ⦅理科の授業三題》 令和5年(癸卯みずのと・う)を迎える年越しや年始は、これまでの9年間と、大きく違った。ちょうど1年前の大晦日に救急搬送さ…

令和4年度「師走の俳句」

【師走の句】 ① 古稀にして 産休補助の 師走かな ② 北寄りに 寒満月や 昇り来る ③ 我が影に 歩幅を合わす 冬うらら 《日暮れ早まる頃》 令和4年の忘年会は外で開催できないが、「昼食会」でもしようということになりました。午前中に俳句会を済ませた後、お…

令和4年11月の俳句

霜月の句 ①木の葉雨 無邪気な子らの 息づかい ②連弾す 野外ピアノに 小春風 ③皆既月食(げっしょく)に 麗人逝けり 冬の星 《冬の始まり》 例年、10月末から11月中旬は、けっこう毎日忙しく展開します。 稲作を栽培委託している所から、お米が届けられま…

令和4年 10月の俳句

【神無月の句】 ① 五十年(いそとせ)を 過ぎし祝いに しむ身かな ② 摘み菜の お浸し供え 朝の膳 ③ 林檎の香 歩調緩まる ウォーキング (晩秋の出来事) 10月の俳句会では、佐久市民総合文化祭(今年は11月5日~6日の週休日)に出品する「俳画を添えた…

令和4年9月の俳句

【長月の句】 ① 天高し すじ雲抜ける 銀ジェット② 妻と待つ 月白(つきしろ)の山 静まれり ③ フラ(HULA)踊る 揺れしなやかに 秋桜 《仲秋の風景三題》 「黒ニンニク」を自家製している。越冬させる球根の定植を9月1日にした。農作業後に雨が降り出して…

令和4年8月の俳句

【葉月の句】 ① 乳房雲 列島荒れて 盆送る ② 寝そべれば 蕎麦の花揺れ 孤雲去る ③ 五郎兵衛の 稲の香載せて 雲走る【秋の雲・三題】 例年になく暑い日が続いた8月の日本列島であったが、同時に、東北の日本海側や北陸地方では、一足早く「秋霖」を迎えたか…