北海道での青春

紀行文を載せる予定

佐久の地質調査物語-145

南部域の沢 3-(2) 腰越沢の調査から 腰越沢の入口は国道299号線に面していて、すぐに礫岩層が見られます。礫種は、白色~黒色チャートが主体で、花崗岩や、黒色頁岩の直径2~3cmの円礫です。入口から40m入った粗粒砂岩層の泥岩との挟みで、N6…

佐久の地質調査物語-144

南部域の沢 3.内山層の分布する抜井川支流の沢 山中地域白亜系と内山層の地質図 (2007年版を一部変更・緩い向斜構造) 内山層の分布する南端は、抜井川の北側(右岸)の支流です。下部瀬林層を不整合関係で、内山層基底礫岩層が接している様子が観察でき…

佐久の地質調査物語-143

《 南部域の沢 》 2. 矢沢の調査から 小さな河川ながら、抜井川は標高850~860m付近で蛇行し始めます。その右岸にある矢沢集落に、東西方向で流れ込む抜井川の支流が矢沢です。 矢沢では、沢の入口の石英閃緑岩の露頭から始まり、千枚岩化した黒色…

佐久の地質調査物語-142

第Ⅷ章 南部域の沢 内山層の分布域を①北部域(内山川水系)、②中部域(雨川~谷川~余地川)+②'余地峠~熊倉川、③南部域(灰立沢~矢沢および、抜井川の支流など)と、大きく3つに区分した時、灰立沢は、南部域に入ります。 ところが、灰立沢の下流部はジュラ系(…

佐久の地質調査物語-141

《中部域の沢》 6. 熊倉川 (上流部) の調査から 平成17年8月2日午前7時、青沼小学校へ集まり、熊倉川への2度目の挑戦が始まりました。全員が揃い、7時20分に出発し、余地峠には8時12分に着きました。(余地ダム湖から余地峠に至る林道は、封鎖さ…

佐久地質調査物語-140

《中部域の沢》 5. 熊倉川 (象ヶ滝付近) の調査から 平成17年7月9日、午前7時に青沼小学校に集合。いつもは8時半集合なので、少々遅刻をした人もいて、打ち合わせをしていたら、結局、7時50分の出発になってしまいました。車で大上峠を越えて、熊…

令和3年8月(葉月)の俳句

【葉月の句】 【辛丑(かのとうし)の夏】 ① 五京(けい)粒 迎えて送る 雨の盆 ② 山滴(したた)る 瑞穂の國は 空に川 ③ コロナ禍の 次を記念し 夏五輪 長引いた雨の影響で、野菜の生育が大幅に遅れた昨年の夏は、お盆になってようやく茄子が採れ始め、夏ら…

佐久の地質調査物語-139

中部域の沢 《 秘 境 ・ 熊 倉 川 》【(序章)】 平成17年には、内山層の東側への広がりを確かめる為に、「熊倉川」に入りました。 ところで、『熊倉川が佐久市内を流れている川であること』を、はたして何人の佐久市民が知っているでしょうか? まずは、…

佐久の地質調査物語-138

中部域の沢 4. 湯川~温泉の沢の調査から 平成18年5月27日、「湯川」と「温泉の沢(名称不詳:温泉跡があるので命名した)」に入りました。岩相については、特筆するような話題はありませんが、隣接するふたつの沢の地層に関連性がなく、まったく繋がら…

佐久の地質調査物語-137

中部域の沢 3. 余地ダム湖周辺の調査から 平成17年9月3日、午前中に石切場に通ずる「湯沢」を、午後「余地ダム北側の沢」を観察しました。石切場では、安山岩質溶岩の「火道」跡を見つけ、写真撮影しました。また、余地ダム北側の沢では、内山層と先白…

佐久の地質調査物語-136

2. 谷川本流調査から(後半) 標高990mと、標高1000mには、熱変質した灰色細粒~中粒砂岩層が見られました。特に、後者(【図-⑬】)は、落差3.5mの滝を形成していて、直径4mの円形をした滝壺がきれいでした。 標高1010m付近(【図-⑭】)…

佐久の地質調査物語-135

2. 谷川本流調査から(前半) 東西方向に延びる谷川(やがわ) 【注】上の谷川のルート・マップでは、細部がわかりにくいので、90°回転させた縦長のものを載せました。 谷川のルート・マップ 平成16年10月17日、一日中快晴で、沢の中はちょうど良い…

佐久の地質調査物語-134

第Ⅶ章 中部域の沢 谷川(やがわ)は雨川の南、余地川(よじがわ)は、更にその南を流れる河川で、内山層分布域の中部域に当たります。この地域は、主に平成16年と平成18年に調査をしました。平成17年度は、後述する熊倉川に挑戦していました。調査年度より…

令和3年文月の句(蛍袋の異名三題)

【文月の句】 ① 寄り添いて 万葉語る 風鈴草 ② 雨上がり 提灯花の 薄暮かな ③ 母語るとっかん花咲く遠き夏 《蛍袋の異名三題》 7月の句会は「暑気払い」を兼ねて少し遠出をし、「吟行」の真似ごとをしてみるのが恒例だったが、コロナ禍が続くので、もうしば…

令和3年・水無月の句(夏の花三題)

【水無月の句】・・・《夏の花 三題》 ① 木天蓼(またたび)の 白葉癒す 緑雨かな ② 花見つけ 現の証拠や 祖母の味 ③ 白日下 桑の実採りし 夫婦の手 今年の5月中旬から6月中旬にかけての天気は、適度な量の雨降りの後、必ず一週間ぐらい晴天が続き、野菜の…

令和3年 皐月の句(5月に殖えたもの)

【 皐月の句 】 ① 築山に 山百合殖えて さき楽し ② 石楠花(しゃくなげ)を 伝ふ滴に 音は無し ③ 山藤の 山肌粧(よそお)ふ 絹衣 一時期、長野県下では新規コロナ・ウイルス感染者が、県全体で1日・48人(5月23日)と増えた事もあり、佐久地方でも警…

令和3年・奉燈俳句

【倉沢薬師・奉燈俳句】 夏空へ 届け薬師の 鐘聖し 令和3年度 奉燈俳句の俳顎 【奉燈俳句】は、夏に「東京オリンピック大会・パラリンピック大会」が無事に開催できますようにと、薬師堂の鐘楼に登って鐘を突いては祈ったことを詠んでみた。 初冬から早春に…

令和3年卯月の句(春の子ら三題)

【卯月の句】《春の子ら三題》 ① 警泥の 泥ら駆けてく 日永かな ② 姉を追い 春の風切る ヘルメット ③ 花は葉に 仔犬散歩の 似た姉妹 少人数での「定例俳句会」ではあるが、新型コロナ・ウイルス感染拡大の影響で、令和3年になってから1月、2月と2度も中…

佐久の地質調査物語-133

雨川水系の沢 9. 仙ヶ沢の調査から 平成16年8月11日、愛犬エルと一緒に、仙ヶ沢に入ることになりました。地質情報誌に、仙ヶ沢で「熊棚」を見つけたとあり、家内の『エル犬を連れて行けば』という提案を受けて、首輪に鈴を付けてお供させることになり…

佐久の地質調査物語-132

雨川水系の沢 8. 滝ヶ沢林道の沢の調査から 森林地図によると、「滝ヶ沢や地獄沢」は、沢を含む森林区分に付けられた名称です。また、「仙ヶ沢と判行沢」も、同様な理由で森林区分の名称です。だから、水系としての沢を表していないので、私たちが使用する…

佐久の地質調査物語-131

雨川水系の沢 7. 小屋たけ沢~程久保沢の調査から 森林地図によると、「小屋たけ沢」はそのままの地名です。沢を含む西側の尾根一帯が程久保で、駒倉(こまくら)と区分されていますが、地名を使い、「程久保沢」と呼ぶことにしました。尚、内山川水系の「ホ…

佐久の地質調査物語-130

雨川水系の沢 6. アザミ沢~片原沢の調査から 森林地図によると、「のつ久保」から「1203」を結ぶ尾根を境に、阿ざみ(東側)と片原(西側)に分けられて、名称が付いています。そこで、そこを流れている沢を、それぞれアザミ沢(カタカナ表記)と、片原沢(漢…

佐久の地質調査物語-129

雨川水系の沢 5. 林道・東山線の調査から この林道には、平成15年の偵察を兼ねた8月11日と本調査の10月19日を始めとして、その後、コングロ・ダイク露頭の写真撮影をする為に、何度か入りました。 (ルートマップは、西武道沢と兼用ですが、参照し…

佐久の地質調査物語-128

○雨川水系 4. 西武道沢の調査から 森林地図では、「西武道と東武道」は尾根の中央を境に区分されている地名ですが、西側の沢を西武道沢、東側の沢を東武道沢と呼ぶことにしました。尚、東武道沢には入っていません。ここでは、内山層の下部層から上部層が見…

佐久の地質調査物語-127

3. 中原倉沢~ヌカリ久保沢の調査から 森林地図によると、雨川本流右岸の標高1050m~1100mの間に、3本の沢が北から流れ込んでいて、森林区分を示すように、それぞれ尾根に名前が付れられています。下流側から「初手ばらくら」・「中ばらくら」・…

佐久の地質調査物語-126

2. 小唐沢~大唐沢の調査から 平成15年7月6日、つめた沢橋の上流から雨川に入り、合流点からは小唐沢に入って尾根まで詰め、南牧村との県境尾根を経由して、つめた沢を下りました。最後に、別荘の脇を流れる大唐沢に入り、一日で3本の沢の調査ができま…

佐久の地質調査物語-125

第Ⅵ章 雨川水系の沢 平成15年度、地学委員会では、調査域を内山川水系から、田口峠を越えた広川原や、尾根の南側の雨川水系へと広げました。(次頁:【雨川水系の主な沢の位置と名称】を参照。) 示した名称は、林務関係者が使用した森林地図(原図は大正時代…

佐久の地質調査物語-124

4. 牛馬沢の調査から 当時まだ営業していた「ドライブイン草笛」さんに駐車させてもらい、北側の遊歩道を下って、牛馬沢の標高915m付近(【図-①】)から、調査を始めました。いくぶん青味を帯びた暗灰色の粗粒砂岩層がありました。凝灰質で、風化すると…

佐久の地質調査物語-123

3. 初谷沢の調査から 地質調査を進めていく上で、いくつかの波があります。仲間と一緒に入ることはあっても、単独で入ることは、あまり多くありません。しかし、平成14年の夏休みは、夢中になって単独調査にのめり込みました。 初谷沢の内山川との合流点…

佐久の地質調査物語-122

2. 尾滝沢付近の調査から (1)苦水(にがみず)の沢 無名沢だと思われるが、沢の内山川本流への合流点付近の集落名から、沢の名前として呼んでいます。短い沢なので、平成14年8月12日(月)の午前で調査を終えました。 最初の北から流入する沢との合…