北海道での青春

紀行文を載せる予定

奉燈俳句(令和2年度)

瑠璃(るり)色の 五輪待つ空 燕交(か)

 

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花祭りに向けて、令和2年度・奉燈句の俳額

 

 コロナ禍で、4月の句会も中止としたが、せめて、倉沢薬師「花祭り」の奉燈俳句の額だけは掲げることにした。墨書は昨年度から私が担当しているが、皆が参集できないので、俳画も、ついでに一人で描くことを安請け合いした。

 4月15日に前年度の額を外し、4月20日に懸けるまでの、中4日間ほどで、完成させた。故郷・佐久を代表する浅間山を背景に、地元の貞祥寺伽藍や片貝川も創造してみた。空には燕が4羽飛び交っている。画像は、燕を詠んだ俳句が多かったので、5月情景そのものをイメージしたものである。

 五輪(パラリンピック)に因んで、燕も5羽にしようかと考えたが、構図から燕の大きさ変えるので、どれがどの大陸かと考えると、寧ろ不平等になるとの判断で、3対1のメンデルの遺伝法則ではないが、これがバランス良いと思った。

 失敗したと感じている点は、(1)黒斑山(くろふ、通称・ギッパ)が写実的でない、(2)浅間山(釜山)が低すぎて迫力がない、(3)アヤメの描写が画一的である等であるが、(4)燕の飛行とその配置は成功したと思っている。 自宅の門からも、毎日、眺められるので、これから一年間、その時々の気分で眺めていくことになる。

 

             *   *   *

 

 ところで、肝心な俳句であるが、今年と言うより、寧ろ来年、令和3年(2021年)のちょうど今頃、コロナ禍が治まらずに、東京オリンピックパラリンピック大会が中止ということの無いようにと祈念したものである。

 令和元年(2019年)11月22日に、中国政府は、原因不明のウイルス性肺炎発生を公式に認め、12月31日にWHO(世界保健機構)に正式に報告した。(発生は10月末~11月と推定される。)

 一方、12月19日には、日本の熱中症対策でも無理と判断して、マラソン競技と競歩競技の開催地を、東京から札幌に変更するという珍事件が起きた。

 さらに、年が改まった令和2年1月以降、日本政府は中国・韓国、続いて欧米などからの出入国を制限することになった

 そして、3月24日には、オリンピック東京大会の延期が決まり、3月30日には、ちょうど日程を1年ずらす方向での実施計画が発表された。その後、新型コロナ・ウイルスの世界的感染拡大(Pandemic)を受けて、1年後の中止も視野に入り、開催された場合でも規模の簡素化が、IOC(国際オリンピック委員会)で確認された。(6月4日)

 新型コロナ・ウイルス(COVID-19)に対抗できるワクチン開発が、早ければ令和2年度末までに完成、接種できるようになるとの希望的観測もあるようだが、オリンピックまでに間に合うだろうか。

 『あの頃、こんな願いで俳句を詠んだなあ』と、笑い話になる日を待ちたい。

 

【編集後記】

 日本での新型コロナ・ウイルス感染者数は、8月初旬~中旬には、新規感染者数が一日で1000人を越え、一時1500人を越えた時は、恐怖を感じた。しかし、その後、依然として、一日数百人規模で推移しているが、心配はしていても、その数字には慣れてきてしまった。 

 

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オリンピック旗

 嬉しいニュースもあった。延期された東京五輪について、国際オリンピック委員会の副会長ジョン・コーツ氏は、仏AFP通信の取材に、『新型コロナウイルスの有無に関係なく開催される』、『東京五輪は、来年7月23日に開幕され、新型ウイルスを克服した大会になる』と述べたようだ。(9月7日)

 また、国際オリンピック委員会(IOC)会長のバッハ氏は、公開した文書(9月22日)で、「ワクチンなしでも安全に開催できることが示された」としたようだ。

 ここに来て、特に欧州での新型コロナ・ウイルス感染の第二波が猛威を振るっている。不安は残るが、健康問題が最優先とは言え、大会をやらなくても莫大な損失があり、組織委員会の資金面・世界経済にも悪影響を及ぼすとなると、やらざるを得ないのだろう。誰も、先の姿や展開を予想、もしくは予言できないのだろうか?