【長月の句】
① 猫じゃらし戯れる風とジャズダンス
(志津田の里にて)
② 干支地蔵色なき風の通り道
(福王密寺にて)
③ 松籟(しょうらい)や龍跳虎臥(りゅうちょうこが)の 筆つかひ
(天来記念館にて)
≪秋風三題・望月吟行会≫
昨年の9月は、最高気温が30℃を越える真夏日が、9月18日まで、ほぼ毎日続いた。それに比べれば、今年の9月は、優しい。24~25℃が最高気温で、朝は20℃ほどと、気温だけ見れば快適であるが、秋雨前線が日本列島に、ひつこく停滞して、雨の日が多い。ついつい外に出ないでいるので、畑は草茫々である。専業農家は、稲刈りの計画が立てられなくて困っている。
ところで、こんな変則的な気象状況だが、今年の場合、明らかに異常と思われる気象現象をいくつか目撃した。
そのひとつは、台風15号(Chan-hom)の進路と、千葉県の線状降水帯による洪水被害
である。

スーパー・エルニーニョ により、太平洋高気圧が大きく北上して縮小した。日本の南東に寒冷渦(Monsoon Gyre)ができたことで、日本への台風の進入経路が異なり、しかも東から西に進むという極めて稀な気象現象が発生した。
加えて、日本海に抜けて、熱帯低気圧になった後、もう一度台風に戻った。台風13号による「藤原効果」もあったようで、さらに関東平野の特殊事情で、千葉県を中心とする洪水被害をもたらした。

もうひとつは、台風18号(Soudel) と、台風24号(Krovanh)である。
台風18号は、中国の華南に上陸して熱帯低気圧になった後、復活して、ずっとループして居座り続けた。
台風24号も、一旦、北上した後で、南下して、沖縄近海で停滞していた。
いずれも、例年の気圧配置下では起こり得ない異常行動で、長期間にわたり風水害をもたらした。
そして、今年が直接的な契機という訳ではなさそうだが、ヒマラヤのネパールと中国国境付近で発生した8月26日の氷河と岩盤の崩壊に端を発した大洪水であった。明らかに、気候変動の積み重ねの結果だと言えよう。
* * * *
国際政治の動きは、それぞれの国々で静かだが、着実にある方向に向かって動いているように感ずる向きがある。しっかりと見届けたい。
さて、今月は、9月11日(木)に、佐久市俳句連盟「吟行会」があったので、そこで詠んだ句でまとめてみた。
【俳句-①】は、「猫じゃらし」こと「えのころ草」が、やや強い風に揺れ、リズム良く反復運動している様を、ジャズダンスを踊っていると表現してみた。季語は、「猫じゃらし」で秋である。

子犬の尻尾に似ていることから名付けられた「狗尾草、エノコログサ、学名:Setaria viridis」は、イネ科エノコログサ属の植物で、一年生草本である。夏から秋にかけてつける花穂の特徴から名付けられたと言う。「猫じゃらし」の俗称は、花穂を子猫の視界で振ると、じゃれつくことからと言う。
さて、佐久市望月小平の「雫田(しずくだ)山竹仙院・福王密寺」という真言宗の古刹を吟行で訪れた。寺の仁王門に通じる参道の入り口に「佐久三十二番観音札所」の石碑があり、この地が「雫田」ではなく、かつて、「志津田」と呼ばれていたことを知った。現在、参道の両脇は稲穂が波打っていて、他の雑草と共に「エノコログサ」が繁茂していた。
風に揺れ、規則正しいリズムで「ツイスト・ダンス」をしている訳だが、異性とのダンスを期待して、戯れ誘った方は風であろう。「猫じゃらし」は、誘われた方である。それで、戯れる風が誘ったことを強調した。ただ、ダンスが始まれば、双方に楽しむのがいい。
ちなみに、ジャズのイメージから、私はジャズ・ダンスを正しく理解していなかったようだ。かつて私が、学生時代に札幌の「デスコ」で酔っ払って、適当に腰を振って踊っていたダンスのような質とレベルではないようだ。関係者の皆様には、大変に失礼したと思う。
* * *
ところで、私は「えのころ草」が好きになってしまい、玄関の小さな花瓶に挿して楽しんでいる。野趣の良さである。紫蘇の葉やジャガイモの花なども時々、登場する。

【俳句-②】は、福王蜜寺の弁財天の祭られた蓮池の南側に、「花崗岩に彫られ、十二支をかたどった地蔵尊」があり、そのユニークさと、寺の雰囲気の良さを詠んでみた。季語は、「色なき風」で、秋である。
吟行会で披講してみたところ、私のこの俳句が、一番人気の5票を得てしまい、とにかく驚きである。今月は、「秋風」をテーマにしているが、かつての俳句会(みゆき会)で、私が季語をあまり多く知らなかった頃、先輩Wさんが披露したのを覚えていて、いつか使ってみようと考えていたというのが真相である。
ちなみに、干支(えと)地蔵に加え、季語の「色なき風」と、下七句の「風の通り道」という組み合わせが良かったという感想である。



【俳句-③】は、比田井天来(1872・明治5年3月2日生~1939・昭和14年1月4日・68歳没)を顕彰して建てられた「天来記念館」を訪れた時、目に留まった「龍跳」の書に感動し、詠んだものです。季語は、「松籟(しょうらい)」で、秋です。
数年前の佐久市民総合文化祭の書道会場で、この書を見たことがありました。
そして、今回、佐久市俳句連盟の「望月吟行会」で、私が会の担当係となったので、吟行場所の下見をしたり、下調べをしたりしました。

この「龍跳」の文字は、「六曲屏風」の中に書かれていて、漢詩等を題材に、漢字文字数の多い比田井天来の作品の中で、大きな文字で「揮毫」のような性質を帯びた作品は珍しいという説明がありました。それで、「龍が跳躍する」とはどういう意味かと疑問に思い、調べてみると、「龍跳虎臥(りゅうちょうこが)」という故事があることを知りました。
「筆の勢いを、竜(龍)が、天に向かって跳び上がったり、虎が大地に伏せったりしている様子にたとえた言葉で、中国の南北朝時代の「梁(りょう)の武帝」が、晋(しん)の王羲之(おうぎし)の書を褒め称えたことに由来する」という情報を得ました。
それで、今月のテーマ秋風が、素晴らしいと表現する為に、この故事をヒントに、俳句にまとめることにしてしまいました。
但し、「秋風」では釣り合いません。購読している新聞の「信毎俳壇」で、漢字が読めなくて覚えた「松籟」の堅い表現がふさわしいと、採用したというのが真相です。

いつもは、比較的素直に感動を俳句にまとめている私ですが、今回は少し肩肘を張って、言葉選びにインターネット情報などを使い過ぎた感があります。理性的な俳句と言えば聞こえは良いですが、少し違和感もありました。
【編集後記】
何んと今回は、同じ9月の中で、「はてなブログ」に載せることができそうである。しかも、新たに所属した「からまつ俳句会」は、前の月の25日までに、代表Mさん宛てに俳句を提出するシステムとなっているので、実は10月の俳句も完成(第1案)してある。
私は、平成28年5月に俳句会(みゆき会)に入会して以来、翌年の7~8月に手術入院した2ヶ月を除き、"毎月3句を創作するというノルマ(Norm)"を果たしている。新型コロナ・ウイルスの影響で、何ヶ月も俳会が中止となった時も、令和6年6月「みゆき会」が廃会となって、私が所属会もなく一人だけとなった23ヶ月(約2年間)も、途絶えることなく実行してきた。
半分は冗談だが、『お酒と「ハニトラ」には弱い』と公言している極めて意思の弱い私だが、それでも、「はてなブログ」に俳句を載せるということを実践し続けていることには、自分でも不思議である。
『俳句が好きですか?』と問われれば、『まあ、好きな方です』とは応えるものの、『本業は、地質です』というのが、本心である。ところが、原稿は既に、できている部分もあるものの、「佐久の地質調査物語ーⅢ」が続かない。
直接的原因は、新しい時代(白亜系や内山層から、もう少し新しい地層)に入って、(ア)露頭条件から地質図が作成できないことと、(イ)群馬県本宿地域との関係がわからないまま、(ウ)退職後、地学委員会を離れて指導者もいなくなっていることに尽きる。自分が生きたことの証として、佐久の地質を少しでも解明したいという夢がある。だが、その夢への挑戦力が薄れ、なかなか前進・実現へと向かわない。
・・・なぜか? 自分では、正面切って自覚できないが、多分、俳句の創作が、地学研究の進まないことへの「逃げ道」であるのかもしれないと分析する。
だから、夢は消えないので、苦しく辛く、かなり面倒で煩わしい俳句創作が、代償として機能して、創作活動が途絶えないのかもしれない。毎月に3句以上、俳句創作することは、滅多にない。
ただ、生きれば生きただけ、その分だけ老い、そして、確実に死は近づいてくる。夢も実現できないまま終わる。どこかで、日常を転換しなければいけないと思っている。
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今年の初夏から晩秋にかけては、緊張の日々が続いた。それが故に、ある意味、先を見越して行動ができたかもしれない。
母の葬儀~四十九日法要が終わり、吟行会も無事に終えた。残りは、先祖祭りのような同族会総会があり、そこで共同墓地整備工事の代表として、来年初夏の竣工までを推進する。数日後には、地区財産区の研修旅行があり、その幹事も担当する。そして、10月始めには、ある団体の地学研修会のお手伝いがある。今は、その資料作りを始めた。

多忙とは言いながら、雨降りの一日となった今日、民生児童委員と保健指導委員らの主催による「いきいきサロン」に、家内と孫と共に参加して、北欧フィンランド発祥の「モルック」競技をしてきました。
今は皆、70~80歳前後か、中には90歳を越えた方もいましたが、子供の頃に遊んだ時の呼び名の『〇〇ちゃん』などと呼び合い、楽しんできました。(おとんとろ)

















































































