北海道での青春

紀行文を載せる予定

2020-01-01から1年間の記事一覧

冬晴れの佐久平(師走の句)

① 水掻きは 冷たかろうに 風に抗(こ)ふ ② 風神は 木の葉小判を 吹き溜めし ③ 行く水の 瀬音健気に 年惜しむ コロナ禍で忘年会も自粛のご時世だが、ふだん外出の少ない人々が、地区公民館で会食するぐらいは許されるだろうと、忘年会を兼ねた昼食会を夾んで…

秋から冬へ(霜月の句)

① 行く秋の 碓氷峠(とうげ)を越えて 軽がゆく ② 芝坂を 転がる母子に 小春風 ③ 影よぎる 冬耕の空 鳶一羽 例年、私と娘の誕生日が「文化の日」前後にあるので、孫たちが佐久へやって来るが、今年は逆になった。何と、人気幼稚園の受付順番を確保する為に、…

「もののあはれ」を考察(神無月の句)

① 簾(すだれ)剥ぐ もののあはれや 焦げ臭さ ② かざし振る エノコロ草に 蒼天(そら)も揺れ ③ ひと偲び 滲む明月 掌(て)を合はす 佐久市文化祭に出品する「俳画を添えた俳句」を10月の句会で準備するのが恒例となっている。それで、自分の俳画の作品は…

燕去る(長月の句)

① いかづちは 戒めが如 地を揺らす ② 叔父逝きぬ 兄追ひ三十年(みとせ) 天の川 ③ 沙汰も無く コロナ禍残し 燕去る 防災の日に始まる9月は台風シーズンでもあるが、今年は台風が日本にひとつも上陸していない。しかも、7月中の台風発生は0回で、4・5・…

令和二年の夏終わる(葉月の句)

① 蜩(ひぐらし)の 調べ健気に 足るを知る ② 霊魂(たましい)の 巡る時空へ 星が飛ぶ ③ 母子疎開 令和二年の 夏終わる 今年の梅雨期も長引いて、かろうじて7月の最終日に明けた。佐久地方では、日照時間が少なく、夏野菜の生育が遅れ、いつまでも食べられ…

懐かしい蛍籠(文月の句)

① 蛍籠 枕辺(まくらべ)点し 兄妹(あにいもと) ② 艶(つや)鈍し 鐘楼屋根に 梅雨の月 ③ 蕺菜(どくだみ)や 薬師如来に 軒を借り 7月の句会は「暑気払い」を兼ねて少し遠出をし、「吟行」の真似ごとをしてみるのが恒例だったが、コロナ禍が続くので、い…

自然の神秘三題(水無月の句)

① ユーカラを 伝ふが如く 四十雀 ② 保護色も フォベア(中心窩)のお陰 青梅とる ③ 雨蛙 観天望気 高らかに 非常事態宣言が解除されたので、「みゆき会」の句会が、三ヶ月振りに開かれることになった。今月は、「自然の神秘」をテーマに、俳句を作ってみるこ…

鳥のさえずり朝・昼・晩(皐月の句)

① 明け急ぐ まどろむ床の 鳥語(とりご)当て ② コロナ禍に 何の噂か 昼燕 ③ 今宵また 我を寝付かす 青葉木菟(アオバズク) コロナ禍で、今月の句会も中止となったが、来月に、ふた月分ができるようにと、各自の俳句3句を提出し、まとめることになった。今…

奉燈俳句(令和2年度)

瑠璃(るり)色の 五輪待つ空 燕交(か)ふ 花祭りに向けて、令和2年度・奉燈句の俳額 コロナ禍で、4月の句会も中止としたが、せめて、倉沢薬師「花祭り」の奉燈俳句の額だけは掲げることにした。墨書は昨年度から私が担当しているが、皆が参集できないの…

行く春三題(令和2年・卯月の句)

①コロナ禍も 成り行き任せ 猫の恋 ② まず耳の 眠りを覚ます 初音かな ③ 同じ土手 母がみつけて 蕗の花 新型コロナ・ウイルスの感染拡大に対する「緊急事態宣言」が4月7日(火)夕刻に発表され、4月8日(水)午前0時から施行された。今月も、俳句会の開…

「さくら咲く小径」で三題(弥生の句)

① 春入り日 里山越しに 槍ヶ岳(やり)を見ゆ ② 引鴨の 水面で習ふ 隊の則(のり) ③ 休校の 若人漫歩 春の野辺 令和元年度最後の「みゆき会」は、「新型コロナウイルス感染拡大防止」の為、安全策を取って、会合開催を自粛した。予定されていた3/15の句…

圃場三題(如月の句)

① 土恋し 散歩の午後(ひる)や 圃場道(ほじょうみち) ② 麦のあお 滑走路の如(ごと) 西北西 ③ 土匂う 土手で腕組み 時代考 公民館主催の「区民の集い」という文化作品展示会が、祝日「天皇誕生日」にあり、例年のように俳句作品で参加した。テーマ探しに…

元旦三題(新年睦月の句)

① 氏神に 柏手ふたつ 淑気満つ ② 薄化粧 令和二年の 初浅間 ③ 初晴や 群れて祝賀の 鳶の舞い 1月の題材は、令和2年元旦に孫らを伴い家族で、菩提寺や氏神様などを初詣した時、正月らしい印象的な場面に遭遇したので、それらの体験を俳句にしてみることにし…

冬晴れの青~藍色の空(師走の句)

① 香より 柚子湯は孫と 潜水艦 ② 熱の夜は 葛湯(くずゆ)偲びて ポカリ飲む ③ 群青の 空にはにかむ 冬の月 句会の後の忘年会を兼ねた昼食会で、Mさんの「手打ち蕎麦」をいただいた。M氏は、自分で蕎麦を育て収穫・脱穀し、蕎麦を打つ。趣味が高じて蕎麦打…

霜月の出来事から三題

① 九十九(つくも)経し 家に気遣い 新米(こめ)を入れ (11月5日) ② 天高し 令和御列(おんれつ)スマホ撮り (11月10日) ③ 生きるごと 孫が追う夢 シャボン玉 (11月3日・文化の日) 10月31日未明に、電気系統から失火。沖縄県那覇市の首…

秋の出来事(神無月の句)

① 大空に 銀杏落葉(いちょうば)放る 子らの声 ② 暗唱す 挙式スピーチ 百舌鳥が聴き ③ 秋出水 案ずる行方 難無きと 《今月の出来事》 佐久市文化祭に出品する「俳画を添えた俳句」を10月の句会で準備するので、毎年苦労している。ところが、台風19号被…

秋の虫三題(長月の句)

① 夜を尽くし 閻魔蟋蟀(えんまこおろぎ) 鳴き飽かぬ ② 風音に 追い越されてや おにやんま ③ 淡き恋 番蜻蛉(つがいとんぼ)を 君と見し 防災の日に始まる9月は台風シーズンでもあり、今年は台風15号が首都圏を襲い、特に房総半島で大きな被害を被った。(こ…

お盆三題(葉月の句)

① 茄子の牛 孫と作りて 先祖(みな)迎ふ ② 殖えた子の 気配に微笑む 田舎盆 ③ 送り火の 明日は二学期 おらが頃 《お盆三題》 今年の梅雨は遅くまで長引き、特に関東甲信・東北の太平洋側での日照時間が、平年の半分以下となる地域が多かった。佐久地方でも、…

天候不順の夏(文月の句)

① 天地(あめつち)の メール交換 梅雨長し ② 孫会いに 爺じ白靴(しろぐつ) 高速道 ③ 炎(ほむろ)立つ 癒えし畑に 雹(ひょう)の傷跡(あと) 7月の句会は、暑気払いを兼ねて、小諸菱野温泉の「きのこの森」・懐石料理「ふうわ家」で開催された。今月は、長引く…

自然が語ること三題(水無月の句)

① 山法師 戦(そよ)ぐ卍(まんじ)葉 経を読む ② 夏木立 遺言(いごん)の境 石口上(こうじょう) ③ また来たな 寸止め鳴きの 四十雀(しじゅうから) 今月は、「自然が語ること」をテーマに俳句を作ってみた。実際は、観察した自然事象を、人間が解釈する行為でも…

正体を知る三題(後半)

① 山路暮れ ほろろ打つ怪 雉子と知り ② 夫婦(ふたり)して すまして写る 薔薇皇女(ばら・こうじょ) ③ 鎌音に 滑り出ず蛇 ヤマカガシ(赤楝蛇) 【俳句-③】は、片貝川土手の草刈りをしていたら、蛇が斜面を滑るようにして逃げていった時の驚きを詠んだ。 体表の…

正体を知る三題(前半)

① 山路暮れ ほろろ打つ怪 雉子と知り ② 夫婦(ふたり)して すまして写る 薔薇皇女(ばら・こうじょ) ③ 鎌音に 滑り出ず蛇 ヤマカガシ(赤楝蛇) 御代替わりで、今年は特別に10連休となったが、長女夫婦と孫たちは、何と10日間、我が家で過ごすことになった。…

四月風景三題(卯月の句)

① 春選挙 あまた人見し 立会人 ② 末の子が 自転車乗ってる チューリップ ③ 細石(さざれいし) 囲みし母の すみれ草 倉沢薬師堂花祭りに掲げる奉燈俳句の額を準備する為、午前中から集まった。 例年、4月の俳句の中から一句を選んで奉燈俳句にしていたが、5…

令和元年度の俳句(奉燈句)

◇幟(のぼり)立つ 気球があがる そら令和 平成31年4月17日、定例の俳句会が開かれた。5月連休中に開催される倉澤薬師堂の花祭りに掲げる「奉燈句・額」の準備の為もあり、午前中から集まり、昼食会を挟んだ。午前中に俳句を互いに披露し合う勉強会を行…

春三題(弥生の句)

① 御代替り 憂ふ世界ぞ 春動く ② 春一番 声かけられて 女学生 ③ 春を呼ぶ やまとなでしこ 世界新 《春三題》 平成30年度最後の「みゆき会」が3月15日にあった。全員参加で、記念撮影をすることができた。今月のテーマは「春」としたが、俳句の中に国際…

梅三題(如月の句)

① 野良を待つ 爺じの里は 梅つぼみ ② 仏壇の 茶に添え西に 梅一輪 ③ 梅ひらけ 萬天に向く たなごころ(掌) 公民館主催の「区民の集い」という文化作品展示会があり、例年のように俳句作品で参加した。俳画製作の予定もあり、バレンタインデー・昼食会を設けた…

鳶(トビ)三題(睦月の句)

① 鳶の眼を カイトと紛ふ 北颪(きたおろし) ② 鳶群れて 帰巣の舞や 天高し ③ 冬晴れの 村を哨戒(しょうかい) 鳶の笛 1月の句会の題材を捜そうと、東京電力・杉ノ木貯水池の氷雪の湖と水鳥を見に出かけた。人工の浮島に、ガン・カモ類がたむろしている。未…

年越し三題(師走の句)

① 熱燗こだけに そだねと すまし顔 ② 平成や 時勢を偲ぶ 除夜の鐘 ③ スキー山行(たび) 世の果てまでも 青と白 12月の句会は、忘年会を兼ねて佐久市岩村田の和食料亭で行なった。高齢者が多いので、深炬燵のようにして座れる形式の座敷は、ありがたかった。…

初冬の妻・三題(霜月の句)

① 冬初め 妻と散歩の 日暮れ道 ② 漬け菜とる 妻の背伸びに 小春風 ③ 弱音で 妻弾く家路 暮れ早し 中国で11月11日が独身男性の日として一躍有名になっているが、日本では11月22日が、『いい夫婦の日』のようだ。この日に、定例句会が開かれた。 今月…

柿三題(十月の句)

① 高きより 声かけ渡す 夫婦柿 ② 山路越え 眺め眩(まばゆ)い 柿の里 ③ 木から落ち 見上げる柿は 空で揺れ 10月の俳句を佐久市文化祭(「文化の日」前後で開催)に出す予定だったが、自分では不満足で、昨年長月の『野菊咲く道踏み分けて亡父訪ぬ』に、秋茄子…