北海道での青春

紀行文を載せる予定

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

初冬の妻・三題(霜月の句)

① 冬初め 妻と散歩の 日暮れ道 ② 漬け菜とる 妻の背伸びに 小春風 ③ 弱音で 妻弾く家路 暮れ早し 中国で11月11日が独身男性の日として一躍有名になっているが、日本では11月22日が、『いい夫婦の日』のようだ。この日に、定例句会が開かれた。 今月…

柿三題(十月の句)

① 高きより 声かけ渡す 夫婦柿 ② 山路越え 眺め眩(まばゆ)い 柿の里 ③ 木から落ち 見上げる柿は 空で揺れ 10月の俳句を佐久市文化祭(「文化の日」前後で開催)に出す予定だったが、自分では不満足で、昨年長月の『野菊咲く道踏み分けて亡父訪ぬ』に、秋茄子…

秋の花三題(長月の句)

① ほほで触れ 偲ぶ若き日 吾亦紅(われもこう) ② 背伸びして 朝日を仰ぐ 紫苑(しおん)かな ③ 快気祝い 風がかけゆく 水引草(みずひきそう) 「暑さ寒さも彼岸まで」とは蓋し名言で、朝の最低気温から日中の最高気温まで、生活の中で快適と感じる温度変化である…

残暑と秋の訪れ(葉月の句)

① 思い秘め 少女にも似て 桔梗さす ② 虫の音に 寝息合わせて 夢枕 ③ 大根蒔く 巡る季節に 思い馳せ 「お盆が過ぎると朝晩は涼しく過ごしやすくなり」等と、時候の挨拶に書いたものだが、近年は地球温暖化のせいなのか、佐久地方でも、立秋の後の残暑は、しっ…

夏の大自然(文月の句)

① 雲仰ぎ 音高らかに 胡瓜(きうり)食む ② 島雨林 警報超える 蝉時雨(せみしぐれ) 【三宅島にて】 ③ 遠雷や 地震の如く 指を折る 7月の句会は、暑気払いを兼ねて、小海リエックス・ホテルで開いた。昼食会の後、深緑に囲まれた露天風呂に入り、佐久平や浅間…

人を待つこと三題(6月の句)

① 暮色なお ゆかしくあやめ 佇(ただず)待つ ② 四十年(よそとせ)ぞ 卯の花生けて 朋友(とも)を待つ ③ 梅雨知らず 信濃(しなの)を唱う 姉見舞ふ 今月は、人を待つことの非日常的な出来事があり、その体験が印象的だったので、「待つ」ことをテーマに俳句を作っ…

初夏の山里(皐月の句)

① 匂い立つ ニセアカシアの 曇り空 ② 時空越え カッコウの歌 蘇(よみがえ)り ③ 初夏の道 ヒジャブの奥の 眼におじぎ 退職してから始めた夏野菜作りだが、その準備を急ぐあまり、遅霜や強風被害にあって二度手間となったことを経験している。山(向山の畑)と田…

孫と春三題(卯月の句)

①孫抱けば 蘇(よみがえ)る日よ 春惜しむ ② 孫はしゃぐ 土手に地雷と 蕗のとう ③ 孫子らの 多幸祈りて 甘茶仏 今年度も、倉沢薬師堂花祭り(5月連休)に奉燈俳句の額を掲げる為に、午前中から集まり準備をした。二人の孫ができたことへの感謝と祝いの意味を込…

春の訪れを感じて(弥生の句)

① 庭先で 小仏あやす 春うらら ② 春大河 先を競うや 波と枝 ③ 風にのり 放送聞こゆ 日永(ひなが)かな 春の彼岸過ぎに3月の句会があり、本年度が終了した。 佐久医療センターへの入院で、私にとっては大変な年であったが、それ以上に、長女の妊娠のトラブル…

春の兆しを感じる時(如月の句)

① 日が暮れて 南オリオン 春浅し ② 春兆す 味噌汁湯気に 朝日さす ③ 山小屋(やま)の水 汲みて雪解の 便りきく 今月下旬の日曜日に「前山地区・区民の集い」という公民館主催の文化作品展示会があり、「みゆき会」では、例年のように俳句の作品で参加した。 …

冬銀河 (睦月の句)

① 氷柱(つらら)食(は)み 遠き日の味 孫と笑む ② 眉あげて 強く生きよと 冬銀河 ③ 老松に 耐える音なし しずり雪 俳句会の年度は変わらないが、戊戌(つちのえ・いぬどし)の平成30年になった。 気持ちも一新して臨みたい。今月は、自然の情景の中に、人の人…

「風花」三題(師走の句)

① 風花や 原始ケ原に 降臨す ② 風花を 口開け目閉じ 芯で受く ③ 手のひらで 風花ふたつ 水となり 12月の句会は、忘年会を兼ねたが、アルコール無しの昼食会となった。当時、会員9名の全員参加となった。私は、季語を捜していて、「風花」がとても気に入っ…

抗癌剤の化学治療の中で

① 生きつづく 小春の庭に ほうき跡 ② 冬田道 風のたよりか 孤雲ゆく ③ 障子から 目の出る孫の だだんだん 11月20日に、みゆき会の定例句会が開かれた。私は、退院後にほぼ4週間周期で抗癌剤の化学治療していたが、影響は少なかった。ただ、好物のラーメ…

十月の風景

① 昔(いにしえ)の 秒刻聞こゆ 秋の雨 ② 清しさや 乙女にも似た 山紅葉 ③ 平成の 十月十日 牛蒡(ごぼう)引く みゆき会10月の句会は、佐久市文化祭(「文化の日」前後で開催)に出品する俳画作品を、各自が自宅で製作してくることになり、午後からの始まりだ…