北海道での青春

紀行文を載せる予定

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

恩返し感覚

毎年、松本税務署の出前講座・租税教室を依頼し、6年生は、税金の果たす役割について学習している。税金の徴収・配分される仕組みの概説後、消費税が話題になり、世界各国の比較で、日本の5%が低いことに驚く。それは、税制度が国によって違い、日本では…

筑北連合小学校

佐久平(さくだいら)の一角、泉小学校の校庭に超大型クレーンが立ち並び、建て替え工事をしている。近くを通った時、『ああ、これで小学校も無くなるのか』と娘が言った。と言うのも、母校野沢中学校も数年前、同様な工事で、思い出の校舎が消えたばかりだか…

食物からの時代考

毎年、大晦日に出刃包丁を研ぎ、新巻鮭を料理する。自己流とは言え、切り身のこしらえ方も、要を得てきた。サケ科の魚特有の脂鰭(あぶらびれ)を『奇形魚だ』と大騒ぎしたのは、懐かしい思い出となった。 我が家では、芯に鮭の切り身を入れ、干瓢で巻いた昆…

巳年から午年へ

卒業生は、辛巳年(かのと・み)年~壬午(みずのえ・うま)年生まれなので、癸巳(みずのと・み)年生まれの私とは、ちょうど四回り違います。そんな縁で、年齢にまつわる話です。 「お年とり」という懐かしい響きのある言葉が、死語になりつつあります。 年神様…

六年生の夏に、日食を見た。

平成21年7月22日午前11時10分頃、皆既日食の部分最大食を、H小学校で見た。日本列島での皆既日食は、明治20年8月19日以来、122年ぶりのことで、西条・東条・乱橋・大沢新田の四村合併後、明治22年に本城尋常小学校が設立された本校の1…

西暦2035年 9月2日、A小へ集合

6年生の5月21日(月)に、A小学校の校庭で、金環日食を観察した。残念ながら、私は、佐久病院の定期検診で、年休(一日)だったので、自宅で、たまたま帰省していた妹や家族と一緒に見た。 待ち遠しいのは、2035年9月2日の日曜日である。 今から22…

SPごっこ

愉快な娘さんを知っている。 その家族は、外に出かけた時、様々な試みをし、周囲がどう反応するかを楽しんでいるらしい。 ひとつは、混んでいるファミレスで待つ順番を「オニガワラ」と記帳し、店員さんが名前を呼んだ時、大袈裟に反応する。珍しい名前なの…

柴犬物語(後半)

姉妹犬の末路 家内の友人から子犬(8ヶ月)でもらってきた柴犬のテリーであるが、5年後の秋に、4匹の子犬を生んだ。生まれた順にアース(♂)・シーザー(♂)・エル(♀)・ラブ(♀)と名付けた。 子どもたちは、小学生ながらに、動物の妊娠~出産の秘密を理解してい…

柴犬物語(前半)

平成10年10月10日の朝、我が家で4匹の子犬が生まれた。休日勤務で私が出かけた後は、二女が見守り、アース(♂)・シーザー(♂)・エル(♀)・ラブ(♀)の順に生まれたと言う。 兄弟姉妹犬は風貌や性格が違う。遺伝の不思議さに驚きながら、庭でじゃれ合う子犬…

分数と私

5月に、相田一人(あいだかずひと)さんの「父・相田みつを」を語るという講演を聞いた。東日本大震災後、みつをの作品をブログ(Weblog)で使いたいがという問い合わせが殺到し、【わけ合えば】という作品を自由に引用して使える処置をしたそうである。 詩は、…

自然を科学する

M教授は、祖父が幕末の鉱山奉行であったとかと言うことで、代々の地質学者である。私たちが大学で出会ったのは、先生が退官を数年後に控えた頃で、深く刻まれたしわ顔や、小柄で、少し猫背の外観からは、人生を誠実に生きてきた普通の老人という風体に映っ…

冷や酒のように

ひとり墓地で、父の最期に着ていた浴衣を燃やしていた時のことです。 秋の日は暮れ始め、一緒に燃やした「おき」が、赤々と辺りを照らし出していました。一瞬、炎が上がった方を見ると、1匹の蛾(が)の羽に火が燃え移っていました。蛾は羽ばたいて、いったん…

何ものかを畏れる心

この2月に善光寺・淵の坊住職、若麻績侑孝先生から、「二度とない人生だから」という演題で、宗教哲学の話をお聞かせ願い、私は感動しながら理科室に戻ってきた。 ところが、『シミッチャンは、まだ子どもなんかやあ』と、いつもの調子でK先生が、やり出す…

牛年に卒業する

そう遠くない昔、野外の地質調査で牧場を歩いたことがある。 北海道・道北地方の音威子府から歌登にかけての酪農地帯は、およそ人口密度などという話題とはまったく縁がなく、おそらくそこに棲む牛たちは、飼い主以外の人間と出会うのは、極めて稀なことなの…

誰がために馬は走る(後半)

もうひとつ印象深いのは、競走馬が、本部席に飛び込む直前で、慌てて騎手が止めたという出来事があった。 先頭で駆けていた競走馬が突然スピードを落とし、コースの外側に寄った。馬上の騎手は上半身を反らし、力いっぱい手綱を引いているが、馬はすぐには止…

誰がために馬は走る(前半)

北佐久郡望月町(現・佐久市)では、平成元年から「草競馬」を復活させ、毎年、11月初旬に開催している。望月駒の里「愛馬会」を中心に始まった草競馬も、今年(平成9年11月3日・文化の日)は、出走馬も100頭を超え、町を上げての一大行事となった。 幸…

動物の不思議な行動(後半)

翌、4月6日の夕暮れ、ニホンジカ10~12頭ぐらいの群れと出会った。 場所は、春日温泉から望月少年自然の家に通ずる林道である。自動車で林道を運転していたら、目の前をシカの群れが横切った。すぐにエンジンを切り、後部座席に常備してあるカメラを持…

動物の不思議な行動(前半)

平成10年 3月22日(日) 午前11時30分頃、二階の自室で机に向かっていたが、カラスの鳴き声が気になって外を見た。我が家から見て南東の向山(むこうやま)と呼んでいる上空を、カラスの大群が旋回していた。その数、ざっと70~80羽。最初の群れは…

故郷として見た三宅島(後半)

私が初めて訪れた三宅島は、人々がようやく島に戻ってから8年目を迎えた夏だった。 ライフラインは整備され、島を一周する都道も、次の整備作業に入っていた。各地の観光・学習用看板も新しく、ありがたかった。 御笏神社の太鼓 そして、2年に1度の三宅島…

故郷として見た三宅島(前半)

三宅島から故郷佐久に戻って、ひとつのことを考えている。 それは、「もし、私が三宅島の村民であったら、あの玄武岩の火山島に戻るだろうか」ということである。 本物の玄武岩溶岩にフィールドで触れてみたいという他愛のない興味と関心から、炎天下のスコ…