北海道での青春

紀行文を載せる予定

2020-01-01から1年間の記事一覧

秋の花三題(長月の句)

① ほほで触れ 偲ぶ若き日 吾亦紅(われもこう) ② 背伸びして 朝日を仰ぐ 紫苑(しおん)かな ③ 快気祝い 風がかけゆく 水引草(みずひきそう) 「暑さ寒さも彼岸まで」とは蓋し名言で、朝の最低気温から日中の最高気温まで、生活の中で快適と感じる温度変化である…

残暑と秋の訪れ(葉月の句)

① 思い秘め 少女にも似て 桔梗さす ② 虫の音に 寝息合わせて 夢枕 ③ 大根蒔く 巡る季節に 思い馳せ 「お盆が過ぎると朝晩は涼しく過ごしやすくなり」等と、時候の挨拶に書いたものだが、近年は地球温暖化のせいなのか、佐久地方でも、立秋の後の残暑は、しっ…

夏の大自然(文月の句)

① 雲仰ぎ 音高らかに 胡瓜(きうり)食む ② 島雨林 警報超える 蝉時雨(せみしぐれ) 【三宅島にて】 ③ 遠雷や 地震の如く 指を折る 7月の句会は、暑気払いを兼ねて、小海リエックス・ホテルで開いた。昼食会の後、深緑に囲まれた露天風呂に入り、佐久平や浅間…

人を待つこと三題(6月の句)

① 暮色なお ゆかしくあやめ 佇(ただず)待つ ② 四十年(よそとせ)ぞ 卯の花生けて 朋友(とも)を待つ ③ 梅雨知らず 信濃(しなの)を唱う 姉見舞ふ 今月は、人を待つことの非日常的な出来事があり、その体験が印象的だったので、「待つ」ことをテーマに俳句を作っ…

初夏の山里(皐月の句)

① 匂い立つ ニセアカシアの 曇り空 ② 時空越え カッコウの歌 蘇(よみがえ)り ③ 初夏の道 ヒジャブの奥の 眼におじぎ 退職してから始めた夏野菜作りだが、その準備を急ぐあまり、遅霜や強風被害にあって二度手間となったことを経験している。山(向山の畑)と田…

孫と春三題(卯月の句)

①孫抱けば 蘇(よみがえ)る日よ 春惜しむ ② 孫はしゃぐ 土手に地雷と 蕗のとう ③ 孫子らの 多幸祈りて 甘茶仏 今年度も、倉沢薬師堂花祭り(5月連休)に奉燈俳句の額を掲げる為に、午前中から集まり準備をした。二人の孫ができたことへの感謝と祝いの意味を込…

春の訪れを感じて(弥生の句)

① 庭先で 小仏あやす 春うらら ② 春大河 先を競うや 波と枝 ③ 風にのり 放送聞こゆ 日永(ひなが)かな 春の彼岸過ぎに3月の句会があり、本年度が終了した。 佐久医療センターへの入院で、私にとっては大変な年であったが、それ以上に、長女の妊娠のトラブル…

春の兆しを感じる時(如月の句)

① 日が暮れて 南オリオン 春浅し ② 春兆す 味噌汁湯気に 朝日さす ③ 山小屋(やま)の水 汲みて雪解の 便りきく 今月下旬の日曜日に「前山地区・区民の集い」という公民館主催の文化作品展示会があり、「みゆき会」では、例年のように俳句の作品で参加した。 …

冬銀河 (睦月の句)

① 氷柱(つらら)食(は)み 遠き日の味 孫と笑む ② 眉あげて 強く生きよと 冬銀河 ③ 老松に 耐える音なし しずり雪 俳句会の年度は変わらないが、戊戌(つちのえ・いぬどし)の平成30年になった。 気持ちも一新して臨みたい。今月は、自然の情景の中に、人の人…

「風花」三題(師走の句)

① 風花や 原始ケ原に 降臨す ② 風花を 口開け目閉じ 芯で受く ③ 手のひらで 風花ふたつ 水となり 12月の句会は、忘年会を兼ねたが、アルコール無しの昼食会となった。当時、会員9名の全員参加となった。私は、季語を捜していて、「風花」がとても気に入っ…

抗癌剤の化学治療の中で

① 生きつづく 小春の庭に ほうき跡 ② 冬田道 風のたよりか 孤雲ゆく ③ 障子から 目の出る孫の だだんだん 11月20日に、みゆき会の定例句会が開かれた。私は、退院後にほぼ4週間周期で抗癌剤の化学治療していたが、影響は少なかった。ただ、好物のラーメ…

十月の風景

① 昔(いにしえ)の 秒刻聞こゆ 秋の雨 ② 清しさや 乙女にも似た 山紅葉 ③ 平成の 十月十日 牛蒡(ごぼう)引く みゆき会10月の句会は、佐久市文化祭(「文化の日」前後で開催)に出品する俳画作品を、各自が自宅で製作してくることになり、午後からの始まりだ…

菊三題(長月の句)

① 菊日和 三億年の 肺呼吸 ② 野菊咲く 道踏み分けて 亡父(ちち)訪ぬ ③ 蒼天や 国旗はためき 菊薫る 7月、8月と月をまたいで入院生活を送ったので、9月の句会は久し振りの参加であった。退院後も検査と治療は続いていたが、経過は比較的順調なので、俳句の…

薬師堂・鐘楼の「曳屋」による工事

薬師堂の鐘楼は、北~北東側に傾いていて、数年前から梵鐘のある階上に登れないように、階段を封鎖してあった。 平成28年度前山南区総会で修復工事予算案が可決され、同年5月23日から工事に入った。 特殊な工法による作業なので、『三光組(さんこうぐ…

倉沢・薬師堂

恒例の暑気払いを兼ねた句会が、7月12日に望月温泉であったが、私は、事前の検査の後、7月26日から佐久医療センターに入院することになり、7月の会を欠席することにした。 8月24日に句会があったが、欠席した。私の8月1日の手術後の回復は早かっ…

梅雨の晴れ間(水無月の句)

① アカシアの ひと葉ずつ捨つ 帰り道 ② 梅雨晴れの 雲上の雲 東へと ③ 産毛抜け 別れの昼餉(ひるげ) 六つ燕 佐久地方では、近年、から梅雨であることが多いが、夏野菜を山の畑から水田の転作畑で作るようになって、私は、水やりの心配がなくなった。農作物…

初夏の彩り(皐月の句)

① 山に立つ 変化自在の 初夏の雲 ② 香を残し 風神渡る 青田かな ③ 万緑の 中でささやく 鳥語(とりご)かな 佐久地方は、春の訪れから本格的な春へと進む頃までは、季語と暦が合わない感じだが、5月になると全国版と一致する。ひと昔より田植え時期が早まった…

桜の季節(卯月の句)

① 幾歳(いくとせ)の 人を見聞きし 里桜② 雨が抜け 層雲の中 山桜③ 梵鐘を くぐりて仰ぐ 花藥師 平成10年に佐久市有形文化財に指定された「倉沢薬師堂」が、我が家の近くにあり、5月の連休に地域を挙げて、ひと月遅れの「花祭り」を開催している。 当会…

春の訪れ(弥生の句)

① 浅間峰に 煙たなびく 春はやて ② 耕して なぜか思ひ出 浮かびくる ③ 散歩道 手のふれあひし ふきのとう 春のお彼岸最終日の午後、平成28年度を締め括る句会があった。紆余曲折を経て、一年乗り切った。後で振り返って『良くないなあ』と思う句でも、でき…

北国の早春(如月の句)

① 陽炎の 黒き土の香 時季(とき)を知り ② 岩盤(いわ)削る 白樺芽吹き 沢の音 ③ 木の根開(あ)く 光輝け 別れ雪(ザラメ雪) 2月下旬には、「区民の集い」という地域公民館主催の文化祭があり、私たちは俳句を出品する。その前に句会を設け、俳画の用意をするこ…

郷愁の世界(睦月の句)

① 寒詣(かんもうで) 孫が手を引く 赤鳥居 ② 氷下魚(こまい)かみ 遠き青春 熱き酒 ③ 雪かきて 戻る家あり ありがたき 信濃毎日新聞の「けさの一句」(土肥あき子)に、『しんしんと 雪は昭和の 闇を呼び (藤原日出)』の句が載り、中村草田男の「・・・・明治…

松原湖での吟行(師走の句)

① 湖畔宿 かわらに残る 朝の雪 ② 薄氷(うすらい)や 昔懐かし 松原湖 ③ ちぎれ雲 寒風の中 鳶(トビ)の二羽 今月は、忘年会を兼ねて、小海町の松原湖高原ホテルで「吟行」と洒落てみることになった。寒さを我慢して、ホテル周辺を散策して俳句を作る予定だった…

日暮れが早まる初冬(霜月の句)

① 冬麗(とうれい)の 樅(もみ)の日時計 影長し ② 星冴ゆる 宇宙(てん)の暦か G(ジー)の文字 ③ 落ち葉踏み 家路の灯(あか)り 数へおり 11月と言えば初冬であり、日暮れが早まっていく。そんな季節感に注目して俳句を作ってみようと思った。 【俳句-①】は、…

神無月の句

① 朝ぼらけ 彩雲照らす 下弦月 ② ラジオ鳴り 豆打つ里の 昼下がり ③ 歩を止めて モズの高鳴き 空さがす 佐久市公民館では、文化の日(11月3日)を挟んだ数日間、市民の文化・芸術活動の向上と発展をめざして、個人や団体に発表の場を設けている。私たちは、…

月・三題(長月の句)

① 月あかり 松に怯(おび)える 圏谷底(カールてい) ② 知床の 夏空たけく 朝の月 ③ 山小屋の 煙を照らす 凍てし月 中秋の名月とは、旧暦(太陰太陽暦)8月15日の満月のことで、今の暦では、9月中旬頃になる。「月」を季語に挑戦するが、イメージが月並みで…

裸子の夏(葉月の句)

① 祝砲の 空に残れり 花火雲 ② 裸子の 飛沫(しぶき)にはしゃぐ 祖父の庭 ③ 裸子を 婆追う縁に 足の跡 暑気払いを兼ねて、7月の句会を23日(木)に、群馬県境に近い「あらふね山荘」で開いた。その折り、新参者の私が『共通季語による掲題俳句があっても良い…

百合の花・三題(文月の句)

① 三帯(みつおび)の 解ける気色や つぼみ百合 ② 風そよぐ 乙女のフリル 百合の花 ③ 百合二株 開花競ひし 朝に佇つ 平成26年6月中旬、群馬県太田市の百合園へ見学に行き、何株か苗を購入してきた。2年後、それらが大きく成長し、ひと組は我が家の庭で花を…

青梅・三題(水無月の句)

① 青梅載せ 籠(かご)が家族の 席を埋め ② 青梅(あおうめ)の 荷を解く枝や 風に笑む ③ 縁側に 青き漬け梅 金字塔 天気予報を見ると、高気圧の中心は銚子沖の太平洋上に移り、停滞前線の北上で、西日本から雨の範囲が広がってくる。今晩から翌朝にかけて雨が…

燕・三題(皐月の句)

① 古巣より 新居が好きな 里燕(さとつばめ) ② 烏(とり)の尾に スクランブルや 親燕 ③ 居座りし すずめ抗議へ 飛燕群(ひえんぐん) 初句会へ提出する俳句を考えていたら、佐久市役所から「燕の巣調査」の葉書が届いた。 我が家の二階ベランダの軒には、昨…

俳句会への参加

平成26年4月1日、この日から日記を認め始めた。前日の3月31日付で、定年退職をした私は、新しい生活に入る心意気で、大学ノートを用意した。 日記を付けるのは、嫌いな方ではない。小・中学校時代の絵日記や生活日記も宿題よりは好きだった。ただ、主…