第Ⅸ章 内山層の層序
3.中部域・谷川の
地質柱状図データーから
雨川の南に位置する谷川では、先白亜系(海瀬層)を内山層基底礫岩層(層厚17m)が不整合に覆い、内山層の下部層から上部層まで、ほぼ全層準を見ることができました。
北部域で、コングロ・ダイクを含む層準を中部層として、下部層(広義)の中で、比較的上位の層準を区分しましたが、谷川でも岩相変化から区別することができそうです。下部層(広義)は、基底礫岩層を除けば、全体的に細粒砂岩層(砂相)ですが、コングロ・ダイクを含む層準は唯一の泥相で、黒色泥岩が熱変成された粘板岩(slate)でした。その意味で、中部層を区分することができます。
また、下部層(広義)と上部層の境も顕著で、わずかに細粒砂岩層を挟みますが、層厚50mにも及ぶ礫岩層が発達しています。その上位に、熱変質した灰色中粒砂岩層が重なっています。沢の標高1165m以上では、石英閃緑岩が見られました。内山層との境は確認できませんでしたが、内山層の上部層の中でも上位層準へ貫入しているように思われます。
内山層の下部層(中部層を含む広義)の層厚は185m、上部層の層厚は、100m以上と推定しました。
全体で、285~300mほどの厚さになります。北部域と比べると、層厚は半分ほどです。比較的、粗い砂相が多く、泥相が極めて少ないので、堆積盆の西端だったのかもしれません。
【編集後記】
谷川は、御座山層群(海瀬層)のジュラ紀の地層や、それを不整合で覆う内山層基底礫岩層や、石英閃緑岩の貫入の様子など、様々な地質現象が見られ、綺麗な沢です。
少し長い沢なので、2回に分けて入りました。
地質の詳細や調査時のエピソードは、各沢の説明でしてありますので、そちらをご覧ください。少しイメージが湧くように、ルートマップと写真を載せました。
ところで、新型コロナウイルス、オミクロン株の猛威は、私たちの住む田舎にも拡大中です。私の外出は、冬田道の散歩ぐらいなので、多くの人と接することは少ないですが、明日は病院へ出かけるので、少し緊張しています。
今日は、午前10時~11時30分の短時間に激しく雪が降り、積雪は4㎝ほどでした。降り止むのを待って、さっそく雪掻きをしました。ただ、ラッキーなことに、日中は、+1℃まで上がり、雪の後は冬晴れの空が広がったので、多くは解けてしまいました。
日本海側の地方では、竜巻の話題や大雪の情報が入ってきましたが、ちょっと雪掻きをする程度の佐久地方で、暢気なことを言っていて申し訳ないようです。ただ、日陰は、雪がなかなか解けないので、こまめに雪掻きをする必要があります。
それにつけても、今シーズンは寒過ぎます。明日の朝も、-8℃~-9℃の予報です。がんばって寒さを乗り切りましょう。(おとんとろ)