北海道での青春

紀行文を載せる予定

令和4年7月の句

【文月の句】 ① 五位鷺の 残す静寂 星涼し ② 池跨ぐ 経路謎めく 蜘蛛の糸 ③ 小さき手 掬いし金魚 五年経る 《また夏が来て》 異常に短く早い梅雨明けの後、佐久市では、6月24日から7月2日までの9日間、日中の最高気温が30℃を越える猛暑が続いた。特…

令和4年6月の俳句

【水無月の句】 ① ゆすら梅 種吹き飛ばす 昭和の子 ② 雨過ぎて 雲間に懸かる 虹の橋 ③ 影法師 夏至の太陽 南中す 《六月の心証》 今年の6月の天気は、異常だった。6月に入り、曇りがちな天気が少し続いたかと思ったら、6月6日には、九州・四国・西日本地…

佐久の地質調査物語-164(最終回)

お わ り に 続・佐久の地質調査物語は、その題名のように、先に山中地域白亜系を中心にまとめた「地質調査物語」の続編です。 ブランク期間がややあって、地学委員会の調査活動に復帰した時、内山層を中心とした地質調査で、私は、異常堆積構造「コングロ・…

佐久の地質調査物語-163

内山層に関する内容(目次) ○ は じ め に Ⅰ.研究課題の発見 ○ 内山層について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P1 ○ 内山川水系の主な沢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P2 1.釜の沢の調査から・・・・・・・・・・・・・…

佐久の地質調査物語-162

Ⅹ.コングロ・ダイクの成因 9.混濁流説の問題点 9-(1) 形が精巧すぎる小規模コングロ・ダイク 佐久教育会・夏季研修講座(平成19年7月28日)で、武道沢〔C〕露頭付近を案内していた時、小規模コングロ・ダイクを発見しました。長さは1.5mです…

佐久の地質調査物語-161

第Ⅹ章 コングロ・ダイクの成因 8.内山層の堆積盆とコングロ・ダイク 「群馬県南西部の新第三系の地質発達史(野村 哲・小坂共栄 共著)」に添付された地質図を見る機会がありました。縮尺が大きいものなので、細かな場所は正確に特定できませんが、私たち…

佐久の地質調査物語-160

第Ⅹ章 コングロ・ダイクの成因 7 混濁流説を裏付ける露頭証拠 7-(2) 軟着陸しているコングロ・ダイクがあった。 武道沢の最初の調査(16Nov 2002)は、カラマツの枯葉を軍手で払いながら露頭を観察するような晩秋でした。詳細に捜せば、垂直貫入だけでな…

令和4年5月の俳句

【皐月の句】 ① 八重むぐら シャツに張り付け パリコレか② 植え終えて 妻に感謝の 初鰹 ③ 緑雨かな 雨の匂いの アスファルト 《5月連休とその後》 長野県下では新規コロナ・ウイルス感染者が、県全体で1日・745人(4月19日)と、ピークを迎え、その…

令和4年4月の俳句と奉燈句

【卯月の句】 ① 一枝の 山吹手折り 野良土産 ② 簪(かんざし)か 豆腐に差した 山椒の芽 ③ 敷島の 昔の香り 山桜 《身近な山の植物・三題》 令和4年になって1月・2月・3月と、月の俳句会は中止となってしまった。 全国の新規コロナ感染者数は、554人…

佐久の地質調査物語-159

第Ⅹ章 コングロ・ダイクの成因 7.混濁流説を裏付ける露頭証拠 7-(1) 混濁流で運ばれた礫、砂、泥が海水中で、分級される。 下の【写真】は、ホド窪沢の標高915m付近の滝を、下流側から写したものです。コングロ・ダイクが滝のこぼれ口になって、流…

佐久の地質調査物語-158

第Ⅹ章 コングロ・ダイクの成因 6.混濁流( turbidity current )による運搬と重力落下説 大きな重量のある物体が運搬されるには、物体自身の重力が、運搬の営力になれば良い。すなわち、重力落下である。 また、板状の物体が途中で破壊されずに、しかも、貫…

佐久の地質調査物語-157 

第Ⅹ章.コングロ・ダイクの成因 5.成因の考察 コングロ・ダイクの成因について、岩石学的特徴から考えて見ると、礫岩の通常な堆積過程ではあり得ず、堆積物の供給に関して何か特別な条件が必要です。 そこで、さらに様々な可能性について、考えてみようと…

令和4年3月の俳句(令和3年度)

【弥生の句】 ① 物言わぬ つくしんぼうの 宇宙服 ② 仲直り 指のぬくもり 猫柳 ③ 老梅や かはりし人と なりし母 《春の愁い》 令和3年度最後の俳句会も、コロナ禍のせいで中止となった。各自の俳句を書いた短冊を集めて紙上での「選句会」となったのは、1月…

令和4年2月の俳句(令和3年度)

【如月の句】 ① 山路ゆく 配達員に 春の風 ② 空の藍(あを)少し薄れて 土手青む ③ 歩を止めて 逢瀬重ねる 梅暦 《春の訪れ・三題》 2月の俳句会も、早々に中止が決まった。言うまでもなく、コロナ禍のせいである。みゆき会・H会長が、会員宅を回って俳句…

令和4年 1月の俳句(令和3年度)

【睦月の句】 ① 救急の 母案じつつ 去年今年 ② 柝(たく)を聞く 大黒柱 百二年 ③ 浅間峯ニ 瑠璃光鮮ノ 御慶カナ 《大晦日から元旦》 令和4年(壬寅)の正月は、国際政治という観点からも緊張感に満ちた年明けであったが、我が家にとっても未曾有の事態とな…

佐久の地質調査物語-156

第Ⅹ章 コングロ・ダイクの成因 3.コングロ・ダイクと熱変成の関係 ホド窪沢の標高980m露頭 【写真―上】は、ホド窪沢の標高980m付近で撮影されたもので、周囲の地層とコングロ・ダイクが、ヒン岩によって熱変質されている産状を示しています。 中央…

佐久の地質調査物語-155

第Ⅹ章.コングロ・ダイクの成因 2.コングロ・ダイクの類型 (1)大型タイプ 特に大きさに関して基準を設けていないが、幅よりも寧ろ、長さが5mを越えるようなもの。観察した中では、長さが5mを越えると、幅は20cm以上ある。 周囲の地層の走向に対し…

佐久の地質調査物語-154

第Ⅹ章 コングロ・ダイクの成因 コングロ・ダイクの産状や地域による多様性について、『第Ⅱ章コングロ・ダイクとは何か?』や、ルートマップのデーターを紹介する中で、報告してきました。 この章では、それらをまとめ、コングロ・ダイクの成因を追究していき…

佐久の地質調査物語-153

第Ⅸ章 内山層の層序 6.層序や岩相から示唆されたこと これまで地質柱状図で示してきた地域で、雨川水系の北側の支流と抜井川の北側支流は、主に内山層の下部層のみの分布でした。また、矢沢と灰立沢は、上部層だけのようです。 ですから、下部層から上部層…

佐久の地質調査物語-152

第Ⅸ章 内山層の層序 4.南部域・矢沢の地質柱状図 データーから 矢沢(やざわ)の地質柱状図 コンクリート製の橋(標高978m)付近に先白亜系と内山層を分ける「矢沢断層」があります。下流は御座山層群と思われ、そこに石英閃緑岩が貫入しています。上流…

佐久の地質調査物語-151

第Ⅸ章 内山層の層序 3.中部域・谷川の 地質柱状図データーから 雨川の南に位置する谷川では、先白亜系(海瀬層)を内山層基底礫岩層(層厚17m)が不整合に覆い、内山層の下部層から上部層まで、ほぼ全層準を見ることができました。 北部域で、コングロ・ダ…

佐久の地質調査物語-150

第Ⅸ章 内山層の層序 2.中部域・雨川水系の 地質柱状図データーから 雨川水系の北側の支流で、左側が西、右側が東です。西武道沢と林道「東山線」の間に南北性の断層が推定され、その西側ブロックでは背斜構造の南翼(主に南落ち)に当たり、東側ブロックでは…

佐久の地質調査物語-149

第Ⅸ章 内山層の層序 内山層の分布する各地域の調査した沢の基礎資料は、既に述べてきましたが、地質柱状図で比較しながら、層序と岩相・層厚などの変化について見てみたいと思います。 1.北部域の地質柱状図データーから 北部域の地質柱状図 基底礫岩層の…

佐久の地質調査物語-148

南部域の沢 3.内山層の分布する抜井川支流の沢 3―(5)大野沢支流・第5沢と 大上林道の調査から 大野沢支流第5沢付近のルートマップ 大野沢林道の標高1010mから、大野沢支流第5沢に入りました。沢の入口は、石英や長石などを多く含むアルコース…

令和3年12月(みゆき会)の俳句

【師走の句】 ~散歩道で三題~ ① 暮れ早し 鐘(かね)突き眺む 山の影 ② 冬晴れの 電線すずめ 数えおり ③ 残照に 風鎮(しず)まりて 雪浅間 新型コロナウイルの新規感染者数は、11月下旬から全国で1日100人台と減ってきているが、12月に入ってから…

令和3年11月・みゆき会の俳句

【霜月の句】 ① 抜ける藍(あお)煙目に染む 冬支度(畑仕舞) ② 朝靄(もや)に 殿(しんがり)残し 紅葉散る ③ すきま風 あわて戸を引く 原油高 10月31日(日)に第49回衆議院選挙が行なわれ、自由民主党や立憲民主党が議席数を減らした一方で、日本…

令和3年10月(みゆき会)の俳句

【神無月の句】 ① 萩の影 石灯籠に もたれ掛け ② 枯れ芒 ロマンスグレーを 風が梳く ③ 秋茜(アキアカネ)群れて飛び交う 平和かな 佐久市総合文化祭(文化の日、今年は11月4日~5日の週休日)に出品する「俳画を添えた俳句」を10月の句会で準備するの…

令和3年9月「みゆき会(仲秋の俳句)」

【長月の句】 ① 「ベカンベ」の 菱の実狩りて アイヌ食 【標茶町塘路湖にて】 ② 寿(ことほぎ)に 手折りて添えし 菊の酒 ③ 虫すだき 太古の眠り アルファ波 9月は雨降りから始まった。今年の夏は、お盆を夾んだ一週間でも長雨が続き、秋雨(秋霖)の先触れ…

佐久の地質調査物語-147

南部域の沢 3-(4) 大野沢支流・第3沢の調査から 大野沢支流第3沢は、第4沢の調査(平成5年)の翌年に入った沢ですが、不明な箇所が多く、3回の調査(10~11.Sep.1994/28.Sep.1996)を行ないました。【下図を参照】 大上林道の標高980m付近に第3沢の…

佐久の地質調査物語-146

南部域の沢 3-(3) 大野沢支流・第4沢の調査から 平成5年8月12日に、大野沢支流第4沢の調査をしました。大上林道から入った沢の入口は、礫岩層です。礫種は、主に白色~灰色チャートで、閃緑岩礫も含まれていました。最大経は、5cmです。(【図-①…